
~「ここまで来たら、やるしかない。」~
1. 本格的な受験モードへ
高3の冬、受験本番が迫る中、颯太くんの勉強スタイルも変化していた。
「ここまで来たら、やるしかない。」
そう口にする彼の表情は、これまでとは違っていた。
✅ 英語の暗記量が増え、単語テストの要求も上がる
✅ 数学は演習量を増やし、問題の解き方が体に染み込む
✅ 小論文は「とにかく書く」ことを徹底
✅ 「慶應経済も狙いたい」と言い出す
しかし、彼が冷静に勉強を進める一方で、お母様の不安は募っていた——。
2. 「本当に間に合うの?」焦るお母様 vs 落ち着く颯太くん
「先生、こんなペースで大丈夫なんですか?」
お母様からの質問は、毎月のように続いていた。
✅ 「小論文は間に合うの?」
✅ 「数学が安定しないままでいいの?」
✅ 「英語の長文はもっとやらなくて大丈夫?」
焦るお母様とは対照的に、颯太くんは落ち着いていた。
「まぁ、ギリギリ大丈夫っしょ。」
その余裕の態度に、お母様はますます不安を募らせる。
「ギリギリって……本当に大丈夫なの?」
私は、彼の「ギリギリ大丈夫」という言葉の意味を理解していた。
彼は 「今はまだ完成形ではないが、合格ラインには到達できる」 という感覚を持っていたのだ。
3. 受験直前期のルーティン
受験本番を前に、彼の勉強はシンプルなルーティンに落ち着いた。
📌 英語
✅ 1日100単語テスト(SFC英単語+システム英単語)
✅ 英文和訳は2日で1つの大問を仕上げるペース
✅ 慶應の過去問演習を継続
📌 数学
✅ フォーカスゴールドで1日10題演習
✅ 計算ミスを防ぐため、毎日1題だけでも丁寧に解く習慣
✅ LINEでの質問+Zoomでの解説
📌 小論文
✅ 2日に1本は書くペースで継続
✅ 添削を受けた後、修正して再提出
✅ 問題全体を俯瞰し、構成を考えてから書く練習
彼の中で 「やるべきことは決まっている」 という確信があり、それが冷静さにつながっていた。
4. 焦りが消え、淡々と続けるモードに
1月に入ると、お母様の不安は最高潮に達していた。
「本当に大丈夫なの? もっとやらせたほうがいいんじゃ……。」
しかし、颯太くんは相変わらず 「まぁ、大丈夫でしょ。」 と言うだけだった。
以前の彼なら、漠然とそう言っていたかもしれない。
しかし今の彼の「大丈夫」は、しっかりと裏付けのあるものだった。
✅ 単語テストの正答率は高い
✅ 数学の演習量は十分
✅ 小論文も書くことに慣れてきた
彼は 「このままやれば合格できる」 という手応えを感じていた。
5. そして、いよいよ受験本番へ
2月。
慶應の試験が目前に迫った。
「いよいよか……。」
これまで積み上げてきた勉強を信じ、彼は試験会場へと向かう。
「数学は計算ミスさえなければ大丈夫。」
「英語は単語を覚えた分だけ、読めるはず。」
「小論文は、戦略的に書ければ戦える。」
彼は、自分を信じていた。
そして——
試験が終わった後、彼はどんな結果を持ち帰るのか。
📌 次回予告:第15話「合格発表」
